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2013年8月10日土曜日
第2領域
最近聞いた話で、スターバックスの元CEOの岩田さんという人が「火花の散る瞬間」という言葉を使っていて、面白かったので紹介します。
岩田さんは、当初は、日産自動車の溶接工場で働いていました。
そこの工場長が岩田さんにこう言ったそうです。
「この工場で一番重要な価値を生み出しているのはどこか分かるか?
それは、溶接の火花が飛び散っている瞬間だ
そこを意識してやれ」
とのことです。
現在は社会の動きがめまぐるしく、やることが多すぎて首が回らない人が多いと思います。
会社だったら会議とか、電話対応とか、あるいはクレーム対応とか経理処理、メールの返事、等々・・・
でも、そんな雑多な仕事の中で、本当に重要なことをどのくらいやっているか、と言われると考え込んでしまう人も多いかもしれませんね。
会議や経理も勿論大切なのですが、溶接工場で本当に価値を生み出しているのは溶接すること。
ここを頭に入れて、働かなければなりません。
ちなみに、有名な「七つの習慣」という本にも似た
ようなことが書いてあります。
「七つの習慣」は、アメリカのコビー博士という人が、古今の偉人達の行動様式を調べて、その共通点を抽出したものです。
その中でも特に有名なのが、仕事の優先順の話ではないかと思います。
この本では、仕事の内容を重要度と優先度の大小に応じて4つに分けています。
すなわち、第1領域は重要かつ緊急なこと、
第2領域は重要だが緊急でないこと、
第3領域は重要ではないが緊急なこと、
第4領域は重要でも緊急でもないこと。
第1領域の重要かつ緊急なことを最初に行うのはいいとして、その次はついつい、第3領域の緊急なことを優先しがちですね。
でもそうではなく、第2領域の重要なことを取り組みましょう、と説かれています。
溶接工場の、「火花が散る瞬間」と通じるものがありますね。
そうは言っても実際問題として、どうしても緊急なことを先に片付けなければならない場合も多いです。
下らない会議であっても、その前には資料を作って配布しなければなりません。
私は囲碁をしますが、囲碁で「大場より急場」という格言があります。
これは、広く大きな場所よりも、急を要する場所を優先して打て、という意味です。
大場は重要なこと、急場は緊急なことですね。
先ほどの第2領域を取り組もう、という話とは矛盾しているようにも見えます。
でも、やっぱり大場は大切です。
囲碁ではいかに急場を先手で切り上げて、相手より早く大場に先着するかで勝負が決まることが多いです。
大場は常に意識していて、大場を打つ前に、後顧の憂いをなくするため急場を打つ。
普段の生活で、緊急な仕事を行うにしても、それだけに気をとられず、本当に重要なことは必ず実行するという気持ちを持っていたいものです。
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