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2013年7月27日土曜日
組織が変わる対話の場づくり
先日、加藤雅則氏講演会に行きました。
加藤氏は著名なコーチであるとともに、会社組織の課題解決に取り組むファシリテーターでもあります。
(ファシリテーター:会議やミーティング、住民参加型のまちづくり会議やシンポジウム、ワークショップなどにおいて、議論に対して中立な立場を保ちながら話し合いに介入し、議論をスムーズに調整しながら合意形成や相互理解に向けて深い議論がなされるよう調整する役割を負った人。・・・wikipediaより)
まず、現在は会社の組織内で、様々な問題が発生しています。
原因は、社会の流れが速くなり、それに対応するために会社も高速回転で回っているためです。
また、派遣社員等の雇用の多様化に伴い、会社内の労働環境も変わってきました。
ある会社で、部長が「おーい、今日はみんなで飲みに行くぞ!」と部内の社員に声をかけたところ、近くにいた社員から「私は、『みんな』の中に入っているのでしょうか?」と聞かれるようなこともあるそうです。
さらに、パソコンの普及で隣の人が何をやっているのか分かりません。
一昔前は社内に暗黙知(経験やカンなど、言葉に表せない知識)をもった社員が多数いましたが、もはや今はそんな人も少なくなりました。
このような状況で、例えばコーチングを導入しようとしても無理です。
日々の業務に追われて人が育てられる環境にありません。
そうした中で、個人で仕事をこなしていくのにも限界が見えてきました。
チームで一丸となって課題を解決していく必要が高まっています。
そのために必要なのが対話です。
ここでの対話とは、会話と議論の中間に位置する概念だそうです。
会話は、人間関係を築くための話。
議論は、何かを決めるときの話。
対話は、議論の背景を共有することです。
で、加藤氏は、対話をするための場づくりとして、社内研修などでキーマンの人などを集めて車座になって対話をする手法をとられています。
しかしながら、単に対話をしようといっても組織人には特有の癖があります。
日本の会社員は、対話をしようとしてもすぐに解決策に話が及びます。
そうでなくても、考えが凝り固まっていたり、深入りしたくないという意識があって、対話が進みません。
そこを、ファシリテーターが助け舟を出しながら、解きほぐしていきます。
このときのファシリテーターの留意点としては、参加者の言葉に反論しないこと、無責任に言ってもらうこと、当事者のいい分をリスペクトする、等々です。
まず最初は、不平不満を言ってもらいます。
その時、解決策は出さず、問題意識を共有するだけにするよう、留意します。
そうして、何時間も立つと不平不満を出しつくしてしまい、それ以上出てこなくなります。
そもそも、不平不満は期待の裏がえしです。
一通り不平不満を言い終わると、いつからか、語り口が変わってくるそうです。
自分の持っていた問題が、自分だけの問題ではなかったことに気づき、それが解決すべき目的となります。
最初の本音から本心が現れてきて、そして、本気でやろうという気持ちにつながります。
こういったプロセスを経ることで、説得されて渋々動くのではなく納得して主体的に当事者意識を持って取り組めるそうです。
聞いていて、なるほどなあ、と大変感心しました。
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