2013年3月26日火曜日

燃え尽き症候群


前回は感情労働についてご紹介しました。

簡単におさらいすると、感情労働とは感情を表すことをサービスとした労働形態です。

旅客機の客室乗務員やテーマパークの接客員など、現在では多くの人が従事しています。

本来、自分が感じているのとは別の感情を表現するために、ストレスが溜まりやすいという問題があります。

場合によっては、燃え尽き症候群と呼ばれる症状が出て、何事にも無感動になったり、仕事を辞めてしまうこともあります。

そして、これを防ぐためには主体的な働き方をするのが有効、というところまででした。

これらを踏まえ、今回は燃え尽き症候群にならないための対策について、考えていきたいと思います。

なお、燃え尽き症候群という言葉は、感情労働以外にも、例えば受験やスポーツ大会が終わって目標を失った、という時
にも使われていますが、今回は感情労働起因のものに絞って述べます。

まず、どんな人が燃え尽き症候群になりやすいかというと、その仕事の経験の浅い人や、真面目でひたむきに働く人です。

そういった人は、ついついお客さんの世界に没入しすぎてしまい、感情を使いすぎてしまうためです。

逆に言えば、お客さんの世界に入り込みすぎなければ燃え尽き症候群にはなりにくいことになります。

お客さんと、感情を共有しながらも入り込みすぎない・・・

口で言うのは簡単ですが、実際にはむずかしいですね。

あるいは、ある程度は妥協して、仕事は仕事、と割り切ってしまうことも考えられます。

といっても、これも真面目な人にはなかなか実行しづらいかもしれませんね。

従って、こうした性格の人は、周囲の人も注意深く見守ってあげる必要があります。

また、燃え尽き症候群というと、突然やる気がなくなるように思われるかもしれませんが、実際には徐々にストレスで精神が蝕まれる結果、発症します。

従って、仕事をしていく上で、例えば以下のような気持ちが強くなってきたきたら要注意です。

1 こんな仕事は、もううんざりだ、というような消耗感

2 今の仕事はつまらない、というような無気力感

3 うまくいったという達成感がない

こういった状態ですと、気が滅入っているとか、イライラしているとかのシグナルが出ているでしょうから、周囲の人はこれに気付いてあげる必要があります。

で、そうなってきたら、思い切って休むとか、仕事を減らすといった対策をとります。

ここで、休むというのは、自分の趣味に没頭するのもよいし、単純ながら眠るのも効果的だそうです。

また、仕事を減らすというのは、質、量ともに考慮します。

たとえそんなに長時間働いていなくても、大勢のお客さんと関わっていれば発症する可能性が高まります。

従って、労働時間を減らすとともに、お客さんと接する時間や回数も減らす必要もあります。

最後に、主体的な働き方について見直してみましょう。

感情労働に限りませんが、自分が主体的に働くか、あるいは人に命令されて嫌々やらされるかで、仕事の満足度は大きく違ってきますね。

主体的に働くためには、自分が何を欲しているのかを明確にする必要があります。

例えば自己実現するため、とか、人から尊敬を得るため、とかです。

そして、その欲求を実現するために働く、という意識付けをしましょう。

といっても、主体的に働くことができるかどうかは、本人よりも周囲の影響の方が大きい場合が多いです。

周囲の人、特に管理者は、いたずらに管理主義でがんじがらめにするのではなく、部下の自主性を重んじたマネージメントをする必要があります。

自主性を重んじるといっても、単に仕事を任せればいい、という訳でもありません。

任せきりにしてしまうと、際限なく仕事し続けることになりかねません。

時には役割分担を明確にすることにより、働き過ぎを防ぐ必要があります。

その上で自主性を持って働いてもらう、ということですが、このあたりは、なかなか難しいので、機会をみてまた考えていきたいと思います。




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