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2013年4月16日火曜日
ABCモデル
前回は番外編的にプレゼンテーションに関するセミナーの内容をご紹介しましたが、今回は前々回の続きです。
前々回は、モチベーションと感情関係について述べました。
今回は、これを受けて実際の行動について考えて行きたいと思います。
商売柄、いろんな方をコーチングしていると、多くの人が現状を変えるために、行動を変える必要を感じているようです。
しかし、実際に行動を起こすのは難しいものです。
では、そもそも行動するとはどういうことか、
あるいは、せっかく起こした行動を続けるか、やめるかの違いはどこからくるのでしょう?
こういった行動の基本原則として、今回はABCモデルについて紹介したいと思います。
このABCモデルというのは、
Aは誘発要因(Antecedents)
Bは行動(Behavior)
Cは結果(Consequences)
を表します。
例として、ある人が会社の仕事でわからないことがあって、気難しい先輩に話を聞きに行く、という場合を考えてみましょう。
ここでの誘発要因は仕事上の必要性、行動は先輩に話を聞くこと、結果は親切に教えてもらうとか、不機嫌に追い返されるとかです。
ABCモデルに従えば、行動を起こすかどうかは、誘発要因がどの程度高いかによって決まります。
そして、その行動を続けるかやめるかは、結果がどうかによります。
従って、新しく行動を起こすのが苦手な人にとっては、誘発要因を高めればよいということになります。
具体的には、自分が何のためにその行動を起こしたいのか具体的に細かく考えてみましょう。
上の例で言えば、
「自分の仕事をこなす上で、先輩に話を聞きにいくことはどうしても必要だ、そうすることによって私は業務を滞りなくこなすことができる。」
「それにより、日常生活が平穏無事に過ごせるとともに、給料を今まで通り得られる。」
「逆にもしもそうしなければ、自分は周囲から無能と思われる。」
「それだけならまだしも、みんなに迷惑をかけてしまう。」
「上司からも白い目で見られ、評価が下がっていつかはクビ。」
「もしうまく出来たら、自分へのご褒美に、今晩一杯飲みに行こう!」
・・・といった風に、プラス面、マイナス面の両方から、細かく細かく考えていくとやらなければならないという意識が高まります。
また、第三者、例えば友人にその仕事をすると宣言してしまえば、それをしないわけにはいかなくなるので、誘発要因は高まります。
次に、行動を続けられるかやめるかですが、これは行動結果によります。
これに関して、PST分析というのがあります。
Pはポジティブ、Sは即時、Tは確かの略です。
結果がポジティブで、即時に確実に得られるものであれば、行動がもっとも続きやすくなります。
上の例で、先輩に話を聞きにいった結果、その場で疑問が氷解して仕事がうまくいったら、「分からないことは先輩に聞く」という行動が続きやすくなります。
逆に、先輩に聞いた内容が要領を得なくて、自分なりにその仕事をこなしたけれども、それでよかったのかどうか分からない、という場合は、行動は続きにくくなります。
普通は行動を継続したいと思うでしょうから、結果が今イチうまくいかなかったとしても、続けていく方法を考えてみますと、
まずは、自分がその行動をとったことを自分でほめてあげましょう。
行動結果を小さなステップごとに分けて、考えましょう。
最終的にうまくいかなかったとしても、それぞれのステップではうまく出来たところがあるはずです。
そこを自分で承認してあげましょう。
自分だけでなく、周囲の親しい人、家族にほめてもらえば更によいですね。
行動する前に、自分に褒美をあげると決めていた場合は、速やかにあげましょう。
承認やご褒美も、同じようなものだと飽きてくるので、手を変え、形を変えて色んな方法であげると効果的です。
なお、注意点が一つあります。
アンダーマイニング現象というのがあります。
物質的な報酬に頼りすぎると、その報酬にとらわれてしまい、行動そのものに対する興味が失われてしまう現象です。
仕事の達成感とか、自己実現とか、その仕事に没頭して時間を忘れるとか、そういった感覚を大切にしましょう。
報酬は自分の中にあるもの、と考えることが大事です。
まあ、自分で決めた報酬であれば、自律的なので大丈夫と思いますが。
人に行動するように促す際には、モノでつるのも善し悪し、といったところかと思います。
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