2013年5月3日金曜日

マイナス事実に同意する


 前回はアサーティブネスの基本的な考え方について書きました。


 自信をもって人とコミュニケーションするためには、特に重要な考え方ですね。


 この考え方を本で読んだだけで、人との接し方が変わったという人もいます。


 何度も読んで、自分なりの理解をして下さいね。





 しかし、そうはいっても実際に人とコミュニケーションをとる時には具体的にどうすればいいかわからなくなることもあるでしょう。


 ノウハウ的なものがあれば、やはり便利。


 そこで今回は、アサーティブネスのテクニックについてご紹介します。


 最も代表的な「壊れたレコード」については、既にご紹介しましたね。


 主張したいことをねばり強く繰り返して主張する方法です。


 この他にも、色々とあります。


 ここでは、「マイナス事実に同意」について説明しましょう。




例:オフィスにて


(上司)お前、また失敗したのか!一体、何回やらかせば気が済むんだ!


(あなた)はい。また失敗しました。私には、この仕事は向いていないのでしょうか?


(上司)・・・




 この例のように、「マイナス事実に同意」は相手から批判を受けた時に、批判を受けた事実のみを認めるものです。


 ついでに質問も加えるとさらに効果的で、これは「マイナス事実に質問」するという技法です。




 相手からのキツーい言葉で、「ひどいじゃないですか!」などと応じてしまうと、相手は自分を責められたと感じ、さらに感情的に攻撃的になってしまいます。


 建設的な議論をするためには、お互いが冷静になって相手の話に耳を傾ける必要があります。


 そこで、認められることは認めてしまえ!というわけです。


 さらに、これに質問を加えることにより、相手に対して心を開いているという態度を示します。




 ここで大切なことは、マイナスの事実であっても、オドオドせずに、はっきりと言い切ること。


 前回、アサーティブネスにかかる11の権利について紹介しましたが、私たちには、相手を尊重した上で間違いをする権利もあれば、自分の考えをはっきり主張する権利もあります。


 権利を行使して相手が怒るとすれば、それは相手が悪いのです。


 気にすることはありません。


 堂々とした態度で答えれば、相手もそれ以上どなり散らすこともないでしょう。




 ところで、これを書いている時に、以前セミナーで聞いた似たような話を思い出しましたので、ご紹介します。


 R株式会社では、各営業部員の毎月の営業成績を社長前で報告することになっていたそうです。(R株式会社とはある株式会社のことです)


 で、その社長は大変厳しい人で、ノルマが未達だった場合には強烈な叱責が飛んできます。


 そこで、部員は、何とか怒られまいとして言い訳ばかりして、かえって激しく、どやしつけられます。


 しかし、ある世渡り上手の部員は、言い訳を一切せず、次のように言ったそうです。




「社長、今月はノルマ、ン百万円だったのに、実績はン十万円しか取れませんでした。


 私は、情けない!


 悔しくて涙が出そうです。


 何てダメなんだ!


 バカ、バカ、バカ、ボクのバカ〜!!(絶叫)」


 ・・・・・




 まあ、最後の方は私がちょっとオーバーに脚色したのですが、こんな風に自らの至らなさを感情を込めて伝えるたところ、社長には「まあ、まあ、」と逆になだめてもらえたそうです。


 そういうわけで、この「マイナス事実に同意」という技法、人から批判されただけでなく、されそうな場合にも有効です。


 ぜひ使ってみて下さいね!


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