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2013年6月22日土曜日
ピグマリオン効果とゴーレム効果
昔、ある学校でテストがありました。
そのテストは、かの有名なハーバード大学で開発されたもので、そのテストの成績により、その後数ヶ月の学力の伸び学力が判定できます。
で、そのテストを実施し、結果が出ました。
担任の先生は名簿を見せられ、「このテストで好成績を挙げた、最も学力が伸びると想定される生徒たちはこの人たちです」と教えられました。
そして、その数ヶ月後。
テストの成績が優秀と伝えられた生徒達は、確かにすばらしい成績を収めていました。
ところが、実はこの話の中のテストは特別なものでも何でもなく、ごく普通の知能テストでした。
そして、そのテストの成績優秀者の名簿も、テスト結果とは関係なく、無作為に選んだものだった、と言うのがオチ。
この例のように、相手の可能性を信じて、それにふさわしい接し方をしてあげれば、相手は実際にその通りの人になってくると言われています。
これを、ピグマリオン効果と言います。
ピグマリオンと言うのは、ギリシャ神話に出て来る王様の名前です。
その王様は、自分でつくった女性の彫刻に恋をしてしまいます。
寝ても覚めてもその彫像のそばから離れなくなり、衰弱した王様を神様が見かねて、彫像に命を与えました。
そして王様は、晴れて人間になったその彫像と結婚することができました。
これがピグマリオン効果という言葉の由来です。(別の説もありますが)
一方、ピグマリオン効果とは反対の言葉もあります。
すなわち、相手を否定的に捉えて接していると、相手は実際にダメな結果しか得られない人になるというものです。
これはゴーレム効果と言われます。
こちらの方は、ユダヤの伝説に由来します。
ユダヤ教のラビ(律法学者)が泥で人形を作って、額におまじないの紙を貼ると動き出して、主人の言うことを聞くようになるそうです。
この泥人形をゴーレムと言います。
しかし、ゴーレムはその紙に書かれている一文字を消す
と元の泥に戻ってしまいます。
ピグマリオン効果とゴーレム効果。
実に深いですね。
肯定的にせよ、否定的にせよ、相手に先入観を持って接していれば、相手は実際にそういう人になって来る・・・
学校の先生や、部下を持つ会社の上司は、責任重大です。
先生や上司の、ほんのわずかな接し方一つで、天と地程の違いが出てきてしまいます。
人間の心理面での働きかけが如何に大きいか、驚くばかりです。
さらに、これらの言葉の由来についても含蓄があります。
ピグマリオン効果の方は、王様が衰弱するくらい必死になっているのに対し、ゴーレム効果の方は一文字消すだけ。
相手を認めて成長させる努力がいかに大変か、そして相手の可能性を潰すのがいかに簡単か、伺われます。
翻って回りを見渡すと、世の中ではマイナスの評価が満ちあふれています。
マイナスの評価により多くの人が可能性を奪われ、それが普通のように思って、次の世代にもマイナスの評価をしていくという、負の連鎖が起こっているのではないでしょうか?
怖いですね。
よくよく気をつけて人と接したいものです。
ちなみに、かく言う私も、自分の子どもに接する時にはついつい厳しめの視線を向けてしまいます。
私からすれば、ウチの子がダメだから、というのではなくむしろ正反対なのです。
ウチの子は優秀だから、ついつい「お前はその程度ではない(もっと出来るはずだ)」という気持ちになるのです。(←単なる親バカ)
こう言った例は、ピグマリオン効果として働くのかゴーレム効果として働くのかどちらになるか、興味深いところです(←などと人ごとのように言っている場合ではありませんね。)
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